easternskyのブログ

転移再発乳癌の根治を願う医師のブログ

転移・再発乳癌の根治は遠のいていく

いわゆる標準治療ー内分泌療法単独(AI剤やフェソロデックス)やCDK4/6阻害薬(イブランスやベージニオ)の併用では、ほとんど根治しない。 そもそも上の治療では、根治の前段階である、完全寛解に至る確率すら2%しかない。 しかも、上の治療をすると、ほと…

partial EMT

がんは無秩序に増殖する能力は獲得しているが、本来転移能を持たない。 様々な環境、低酸素や低栄養、乳癌であれば、ER経路やHER2経路を介して、上皮間葉移行し、転移能を獲得する。 つまり、上皮系の癌細胞は転移出来ず、間葉系に移行した癌細胞が転移する…

再発乳癌の方のインスタグラム

私はこれまでSNSで転移再発乳癌患者さんの投稿を見たことが無かった。 最近何人も患者さんがSNSで発信されているという事を聞いて、Instagramを見てみた。 使い方が殆ど分からなく、まだ上手く見る事が出来ない。 調べ方も悪い様で、中々見れない。 最近使い…

『転移・再発乳癌が治らない』は本当か

転移再発乳癌でも治療によりその全てが消えて、その後長期にその状態を維持されている方はたくさん居られる。 いわゆる標準治療ではその様な方は殆ど見られない。 標準治療のゴールが『根治』ではなく、『延命』である限り、その結果は最終的に殆ど皆同じに…

進行乳癌の根治を目指した治療法

進行(切除不能・転移・再発)乳癌の根治を目指すには、特別な治療法は要らない。 保険で認められた治療薬の量、放射線、手術、ラジオ波・マイクロ波焼灼などの組み合わせや順番、切り替えのタイミングが重要。 それを見極める力が重要。 それでもまだまだ10…

治りやすい乳癌②

もっとも転移巣が治療により全て消えやすいのは、未治療であること。 治療が入り、生き残った乳癌細胞は、その多くで治療抵抗性に関連した遺伝子の変異が増えたり、薬剤耐性遺伝子が高発現してきます。 ステージIからIIIまでで、手術前後に治療が入った場合…

治りやすい転移乳癌①

乳癌はいつくつかのサブタイプに分かれています。 その中で遠隔転移巣が消えやすいのは、 ① ルミナルタイプ ② HER2タイプ ③ ルミナルHER2タイプ(トリプルポジティブ) これらは治療により、およそ80%の方で多くの転移巣の全てが検出不可能になるまで消えて…