partial EMT
がんは無秩序に増殖する能力は獲得しているが、本来転移能を持たない。
様々な環境、低酸素や低栄養、乳癌であれば、ER経路やHER2経路を介して、上皮間葉移行し、転移能を獲得する。
つまり、上皮系の癌細胞は転移出来ず、間葉系に移行した癌細胞が転移する、そう考えられている。
多くの他のがんでもそう考えられている。
ところが近年、完全なEMTを起こさず、その途中、partial EMTで止まった癌集塊の状態で転移する癌が見つかってきた。
そして、転移先で容易に上皮系に戻る。
増殖は間葉系変化した癌細胞より早いが、薬剤感受性が高く、根治する可能性がある。
その一つがルミナルタイプ乳癌の肺転移である。
つまり、内分泌療法に感受性のある肺転移は根治する可能性がある。
いや、「可能性がある」、というよりも、根治する可能性が高い。